今回は借りた物件の内装工事をするときに耳にするA工事・B工事・C工事についてお話したいと思います。この3つの工事分類を知っておくことで工事費用を抑え、トラブルを事前に回避することにつながります。この工事区分は建物によって異なりますので、物件を借りる際には必ず確認しましょう。
●テナント工事の種類を知る
テナントを借りた後は出店するための内装工事や設備を整えるための工事が必要になります。工事をする場所が占有部分なのか、共用部分なのか、またどのような工事をするかによって工事に責任を持つ人や費用負担する人は変わってきます。
●テナントを借りる際、明確にしておきたい事項
①工事に対しての責任の所在
②工事業者の選定
③工事後の所有権
④工事費用の負担
⑤原状回復の内容
上記5つの内容が、貸主と借主のどちらに責任や費用負担があるかによってA工事・B工事・C工事と呼ばれる3つの区分に分類されます。不要なトラブルを避けるためにも、工事区分について契約前に確認し、どちらの費用負担のもと行われる工事なのかを知っておきましょう。
●テナント工事における3つの区分
【A工事:貸主にて負担する工事】
A工事とは工事の発注から業者の選定、費用の負担まで全て貸主側の責任で行う工事です。主に建物の躯体部分や共用部・区画の切り分けに必要な工事などが該当します。具体的には、建物の外壁や外装、区画に必要な消防設備などです。
【B工事:借主の要望をもとに工事の権限を貸主がもつ工事】
B工事とは工事の発注や業者の選定は貸主側で行うが、費用は借主が負担する工事です。主にテナントとして入居するにあたり追加や変更が必要となる建物設備などが該当します。具体的には、区画の電気容量の確保、防災設備工事、給排水・換気設備工事の増設などです。B工事では借主で工事業者の選定が出来ないため、コスト管理が難しいです。また、所有権は原則貸主側になる場合が多いですが、退去時の撤去内容や費用負担に関しては事前に話をしておく必要があります。
【C工事:店舗やオフィスの内装工事】
C工事とは事業者の選定から発注、費用負担まで全て借主側の責任で行う工事です。具体的には、店舗改装工事、什器備品、電話工事などです。借主自身で工事業者の選定が出来るので、工事費用を抑えたりこだわりの業者を選んだりすることができます。なお取付けや交換を行った仕上げや設備に関しての所有権は借主になりますので、撤去時には原状回復が必要です。
●特に注意が必要なのはB工事
A工事・B工事・C工事の中で一番トラブルが多いのがB工事です。建物の重要な部分を貸主の指定業者が行うということは理にかなっていますが、指定業者であるからこそ生じる問題もあります。特に指定業者では相見積といった形で競争原理が働きません。
また、費用負担は借主であるため貸主としても工事費用を交渉する必要がありません。そのため指定業者と別業者が同じ工事を行った場合、指定業者での工事費用は割高になることが多くトラブルとなりやすいです。
加えて、スケジュールに関しても融通が利きにくいためオープン日が決まっていたり工事予定が決まっていたりする時は特に早めに見積もり依頼をして金額の交渉やスケジュールの調整を事前に行っておくことが必要となります。
今回ご紹介させていただいた工事区分については事前に把握していることによりトラブル回避にもつながりますし、何より交渉次第ではB工事の区分であっても貸主に費用を負担してもらえたりと出店工事費用を抑えることが出来たりもします。内容の確認や交渉に関しては、専門的な知識も必要となる場合が多くありますので依頼する設計士や工事業者を交えて行うとスムーズに進みますよ。

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