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■物件の更新を忘れるとどうなるの?

2021年09月30日

 

Q.先月で切れる契約の更新を忘れていました。いきなり立ち退きとか言われないでしょうか?

 

A.すぐに退去する必要はありません。契約内容を確認していただき、自動的に更新する内容の条文等が記載されている場合は従前の契約内容のまま契約は続きます。

 

 自動的に更新する内容になっていない契約は法定更新となり、「期限の定めのない契約」として継続します。この場合、従前の契約に更新料が必要だったとしても更新されれば更新料を払う必要性はなくなります。

 また、法定更新された場合は民法が適用されるかたちになりますので、借り手から退去を申し出る期限は3カ月に設定されるでしょう。仮に契約した当初は退去予告が6カ月前や1カ月前であったとしても予告期間は3カ月前になります。

 このような法定更新が適応された際に借り手が不利益を受けるとすれば、従前の契約では退去を申し出る期限が1カ月前や2カ月前に設定されていた場合、その期限が3カ月前になることくらいではないでしょうか。

 

 では定期建物賃貸借契約の場合はどうなるでしょうか。

 定期建物賃貸借契約とは、 期間の定めのある建物賃貸借契約のうち、賃貸借契約の更新が認められず、 契約期間の満了により確定的に賃貸借が終了する賃貸借契約をいいます。借地借家法38条では定期建物賃貸借契約について以下のように規定されています。

 

 

 【定期】という文字通り、基本的に更新することが出来ない契約となりますので契約期限が到来すれば物件を引き渡さなければなりません。ですので定期建物賃貸借契約は書面で契約を交わす必要があります(借地借家法38条1項)。

 また、賃貸人が賃借人に対して「契約の更新がなく、期間の満了により契約が終了すること」という旨が記載された書面を交付した上で説明することも必要です(借地借家法38条2項)。仮に説明がなされなかった場合、その契約は定期建物賃貸借ではなく通常の建物賃貸借となります。

 

 いかがでしたでしょうか。契約更新は数年に1回と数少なく、忘れてしまいがちな事項ではあります。更新のある契約と更新のない契約があることに留意し、借り手側と貸し手側の信頼関係を築いていくことが大切ではないでしょうか。

 最後までご覧いただきありがとうございました!

 

 

■物件の更新を忘れるとどうなるの?




■市街化区域に設定されている『用途地域』とは?

2021年08月25日

 

 用途地域とは、計画的な市街化を形成するため、建築できる建物の種類や用途制限を定めたルールのことです。大きく分けて住居系、商業系、工業系があります。さらに細かく分かれているので簡単にそれぞれ見ていきましょう。

 

●住居系

【第1種低層住居専用地域】

 高さ制限(10mもしくは12m)があります。

 定められた業種、条件等があるため、限定的な店舗しか建てられません。

『住居専用地域』とある通り、基本的に居住地域として保護される区域になりますので、用途地域の中で最も厳しい規制が課せられている地域です。

 

【第2種低層住居専用地域】

 第1種低層住居専用地域と同様に高さ制限があります。

 床面積150㎡以内2階建以下の店舗(飲食店・コンビニ等)が建てられます。

 

【第1種中高層住居専用地域】

 業種により2階以下、床面積500㎡以下の店舗(飲食店等)が認められています。

 また、300㎡までの自動車駐車場を建てられるためコインパーキングも認められています。

 

【第2種中高層住居専用地域】

 それぞれの建てられる用途に加え、2階以下1500㎡までの飲食店、各種店舗、事務所が認められています。

 

【準住居地域】

 3階以上または床面積300㎡より大きな自動車車庫、床面積150㎡以下の自動車修理工場、床面積200㎡以下の映画館等が認められる地域です。

 住居系用途地域の中では最も許容範囲が広い地域となります。

 

【田園住居地域】

 建物制限的には第1種低層住居専用地域に近いものとなります。

 ただし、床面積500㎡以下であれば農産物の直売所等、農業の利便増進に必要な店舗・飲食店であれば建てることが可能となります。

 ※「田園住居地域」は2018年4月1日に新たに追加された用途地域になります。

 

●商業系

【近隣商業地域】

 10000㎡までの店舗(飲食店、展示場、遊技場等)が可能です。また、小規模の工場も認められています。

 

【商業地域】

 飲食店、百貨店はもちろんオフィスビルが立ち並ぶ地域です。一定の工場等を除いて、ほとんどの用途の建築物を建てることが可能です。

 

●工業系

【準工業地域】

 商業地域と並んで用途の幅が広く、ほとんどの建築物を建てることが可能となります。

 ただし、一定の安全上・防火上の危険、環境悪化等をもたらす恐れのある工場は建てることが出来ません。

 

【工業地域】

 準工業地域と違いどんな工場でも基本的には建てられる地域です。住宅、店舗も建てられますが、学校、病院、ホテル等は建てられません。

 

【工業専用地域】

 名称の通り工場の為の地域になります。また、工業地としての土地活用を妨げるような用途の建築が原則禁止とされていますので、住宅や店舗、学校、病院、ホテル等は建てられません。

 

 いかがでしたでしょうか。こうして見るとどこでも自由に出店出来る訳ではありませんので、出店されたい地域がどの用途地域に該当するのか、事前に確認しておくことが大切です。

 最後までご覧いただきありがとうございました!

 

 

 

■市街化区域に設定されている『用途地域』とは?




■物件探しのポイント

2021年07月27日

 

これから新しく事業を始める方には、既に事業計画を立て希望条件も明確にされている方もいらっしゃれば、「こんなことがしたい!」というイメージはあるものの、実際に物件を選ぶとなるとどうすればよいか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

弊社ではまだ条件があまり決まっていない方からご相談いただくこともありますので、今回は物件探しのポイントをご説明させていただきます。

 

■エリア/立地

 

まずはエリアを決めましょう!

滋賀県であれば、湖南地域や湖西地域といったようにおおまかな範囲を絞るだけでも十分それぞれ地域の特徴が見えてきます。

次は立地です。イメージ、コンセプトに合わせて「駅近」もしくは「ロードサイド」等々…。ちなみにこの辺りを選択される場合は賃料も高くなってきます。

また業種業態によっては「駅から徒歩〇〇分まで(80m=1分で算出)」、共用部なしの「単独店舗」、来客者の関係で「1階のみ」や「エレベーター付きなら空中階でも…」などが考えられますね。

 

また交通量の多い道路は一見すると好立地に思えますが、"ただ通り過ぎるだけの道"だったり・・・。

事業にぴったりな物件条件というのは業種業態によって本当に様々で、視認性がありプラスなものもあれば、来客が無くマイナスな場合もあるので注意が必要です。

 

例えば飲食店だと料理の味が良ければ駐車場の無い郊外でも繁盛されている店舗もあります。

今の時代、インターネットの物凄いパワーで立地関係無しの例外もありますが…

 

■広さ

 

さて、次は物件の必要な広さを考えます!

基本的に事業用物件は「㎡」または「坪」で掲載されていますので、「○○坪ってどれぐらいの広さ?」とご質問いただくこともあります。確かに普段の生活する中では「坪」より「帖」の方が馴染みがあるかなと思いますね。

 

1坪=約2帖なので、仮に15坪の物件であれば30帖として「大体自宅のリビング2つ分ぐらいの広さ」といったイメージをするのもアリです!

 

「㎡」の場合は、単純な四角形の物件であれば、縦(m)×横(m)で算出でき、仮に100㎡の物件であれば、縦(10m)×横(10m)でイメージすると事前に什器・備品、造作物の設置可否が分かります。

 

しかし、実際に物件を見てみると思っていたより狭かったり、逆に広かったりしますので、実物を確認して他の物件に活かすのも良いかもしれません。

※あくまでも個人的な意見です。

 

■賃料

 

最後に物件探しで一番気になるポイントになるであろう賃料についてです!

 

飲食店であれば賃料を月売上の10%を目安とされることが多いですが、必ずしもそうである必要はありません。

 

好条件の物件を借りて高い賃料を出せば売上げに繋がる要因にも成り得ますし、”賃料が高い”ということが良い方向に働く場合もあります(もちろんその反対もあり得ますので、悪しからず…)。

 

ただし、無理をする必要はありません!

「エリア」「立地」「広さ」「予算」等については都度ご相談はさせていただきます!

 

以上、簡単にではありますが物件探しのポイントを3点、ご説明させていただきました。

お客様のご希望条件に近い物件を全力でお探しさせていただきますので、お気軽にご相談ください!

 

■物件探しのポイント




■転貸借契約って?

2021年07月05日

 

■Q 知人Xが借りている物件をXを転貸人として借りています。大丈夫でしょうか?

 

□A 元の賃貸借契約の家主さんの承諾を得て、建物を転借している場合、知人Xが賃料不払いで元の賃借契約が解除された場合、転貸借も終了し物件を明け渡さなければなりません。もちろん、転貸借は家主さんの承諾を得ない限り禁止されていまして、家主さんと知人Xが、元の賃貸借契約を合意のもと解除した場合、あなたの転借人の地位は、守られますが、賃料不払いのような、知人Xの債務不履行の場合は、あなたが知人Xに遅れる事なく家賃の支払いをしていたとしても、契約は解除されますので、賃貸借契約では家主さんと賃借人の信頼関係が重要なのと同じように、転貸借契約でも、転貸人と転借人の信頼関係は重要になります。

 

 

 

■転貸借契約って?




■物件資料の用語について

2021年06月18日

 

 今回はテナントをお探しの際、必ず目にされる「物件資料」内の用語について説明します。

 物件探しの参考にして頂ければ幸いです。なお、あくまで一般的なものであり、全ての物件に当てはまるものではありません。物件ごとに大きく異なることもございますので、気になる物件があればお気軽にお問い合わせください!

 

【賃料】

 最初に目が行くところですね。「税別」か「税込」の差は結構大きいので要チェックです。

 

【保証金・敷金】

 ご契約時に貸主様へお預けする金額で、具体的金額や賃料の○ヵ月分と記載があります。入居期間によって返還される金額が変動したり(保証金返還率)、いつ退去されても○%は返還されなかったり(解約引き)と様々です。

 

【礼金】

 ご契約時に貸主様へ支払うもので、返還されません。

 

【管理費等】

 共用部の維持費(照明・エレベーター等)や清掃費など、共用部を正常に維持していくための費用、また賃貸借契約期間の契約条項維持管理に必要となります。

 

【駐車場】

 何台分駐車可能か、1台あたりの駐車料等をチェックしましょう。共用駐車場はあるけれども従業員用は別途契約が必要であったり、そもそも従業員は駐車出来ない場合もあれば、駐車場代が賃料に含まれている場合もあります。多くの駐車場を必要とされているのであれば、要チェックです。

 

【徒歩○分】

 徒歩による所要時間は、道路距離80mにつき1分間を要するものとして算出した数字です。(直線距離ではありません)

 

【空き状況】

 数ヵ月先の引渡となる物件もあるので、確認が必要です。

 

【その他】

 主にインフラ関係が記載されます。中には上下水道のない物件もあります。それぞれの個別メーターにより借主様が個別に算出されたり、貸主様から請求、また賃料に含まれていたりと様々なケースがあります。

 

【保証会社】

 家賃保証会社についてはほとんどの物件で加入を求められます。初回におよそ月額固定費の1ヵ月分、毎年の更新時にその10%程度が必要です。(保証会社ごとに条件は異なります)

 

【火災保険】

 加入は必須です。火災以外の原因であっても、物件内の自己所有物を守るため、また自己の過失で物件に損害を与えてしまうことに対しての保険です。

 

 このように、物件ごとに条件は様々です。

 気になる物件があればお気軽にお電話やメールでご質問下さい。お問い合わせをお待ちしております!

 

■物件資料の用語について




■キュービクル設備点検費用は誰が負担するの?

2021年06月07日

 

 ロードサイド単独店舗(土地約400坪、建物約160坪)をリサイクルショップの運営をする為に建物賃貸借で借りました。キュービクル設備があり、当初、予定していなかった保安点検費を請求されています。点検費は家主さんが支払うものではないのでしょうか?

 

 

□A キュービクル(高圧受電設備)とは、通常、電気は電柱から線を引込み、配電盤を通してコンセント等まで繋ぎます。この時、電柱までの電圧は6600Vと非常に高圧でこのままでは利用できません。そこで電柱にぶら下がっているバケツのような装置が一般家庭で使えるように100Vや200Vに変圧してくれています。しかし、このバケツで変圧できる容量には限界があり、多くの電気を必要とする店舗、ビル等では、その施設自体に変圧装置を設置することが必要になります。その装置のことをキュービクルと呼んでいます。メリットは安い電気単価で大量の電気を使用できるようになりますが、但し、電気事業法の定めにおいて保安点検が義務づけられています。

 

 今回の問題はそのキュービクルの点検費用を誰が負担するかという問題です。一般的には貸ビル等で複数のテナントが入居している場合、キュービクルの保安点検は家主さんの費用負担のもとに行います。ただ、単独店舗、又一棟貸ビルの場合など借主が単体の場合は、そうでない場合もあります。契約前の取り決めにおいて、建物又専有する区画に存在する設備に関しての維持費、故障時の修理・交換費用は家主側で負担するのか借主側で負担するのかを決めておく必要があります。

 

 今回の問題はキュービクルがあることで、月々の電気料金が通常よりも安価になっていますので、保安点検費の負担はそのことを考えるとプラスマイナスゼロではないかと思います。ただ、キュービクルが故障し、取り替えないといけない場合大きな費用が必要となりますので、故障時の補修・取替負担についての取決めにも留意しましょう。後々、大きな問題になってくる恐れがあります。

 

 

 キュービクル以外にもそのような問題が発生する恐れのある建物に付随する設備は浄化槽、受水槽等があります。いずれにしても、契約を締結する前に維持費や修繕費、故障時どうするか等、どちらが費用を負担するのかを明確にしておく必要があることに留意しましょう。

 

■キュービクル設備点検費用は誰が負担するの?




■原状回復をするという事(退去明渡の考え方)

2021年05月31日

 

 今回は、賃貸契約の中で「原状回復」の意味や捉え方についてお伝えしたいと思います。まず、賃貸という言葉が表す通り、賃料を払って所有者から貸してもらうので、「いつかは返却」しなければなりません。事業拡大による移転、不動産の購入など前向きなものから少し後ろ向きのものまで…理由はそれぞれありますが期間の長短に関わらず借りたものを返す事が賃貸契約の理(ことわり)です。

 

 そこで、オーナーにテナントを返す際、必ず行わなければならない事の1つが「原状回復」です。

 

■原状回復とは

 

「一般には、ある事実が生じなかったならば本来あったであろう法律上または事実上の状態(原状)に戻すこと」

 

 !?・・・難しい表現ですね。より分かりやすい言葉に変えてみましょう!

 

ある事情によってもたらされた現在の状態を、本来の状態に戻すこと。例えば、契約を解除した場合、契約締結以前の状態に回復させること

 

 つまるところ、借りた時の状態に戻す(復元する)事を意味します。

 借りたものは返す、というごく当たり前な約束に加えて、元に戻して返すというのが原状回復なのです。

 例えるなら(独断で選んでいますのであしからず…)、自動車を借りるとします。洗車もしてあって、内装も綺麗、新車ではありませんが目立つ傷もなく、燃料は満タン。

 びわ湖1周、およそ200キロメートル走行して返却します(滋賀県の会社なので…)。道中手にした土産物を持参しつつ「ありがとう」と自動車を返すわけです。その際に、ちゃんと貸してもらった状態に返しましょうという事なのです。

 洗車して、ゴミは処分、燃料は満タン返し。万が一、擦ったりして傷を付けてしまったのなら修理する、もしくは修理代を負担するという捉え方を持っていただければイメージしやすいのではないでしょうか。

 

 車を借りる事とは規模が違いますが、テナント、事業用不動産というと難しい言葉を多用している世界なので、分かりやすくお伝えする事も当社の役目ではないかと思っています。

 当職の勝手な妄想ですが、原状回復シリーズとして一歩ずつ踏み込んだ内容を不定期にここで発信していけたらいいなと企んでいます。

 因みに、原状回復という意味をネットでサーフィンしていたら、国際法上の原状回復という定義が見つかりましたので(どうでもいい…という方も多いかもしれませんが)最後に載せて失礼させていただきます。

 (国同士のケンカ・・・戦争についてだったので納得半分ですが、正直驚きました)

 

 

【参考】-国際法上の原状回復-

 

「国際法上の違法行為が行われなかったとすれば存在したであろう状態を回復すること。たとえば、国際法に違反する国内法が制定されたとき、この国内法を廃止すること、理由なく逮捕した外国人を釈放すること、違法に外国から連行した者を帰還させること、不法に没収した外国人財産を返還すること、不法に占領した外国領域から軍隊を撤退せしめることなどは、いずれも原状回復である。原状回復は、国際違法行為に基づく国家責任の解除の基本的形態であり、それが絶対的に不可能であるか、または社会通念からみて犠牲が不均衡に大きい場合を除き、違法行為を行った国は原状回復の義務を負うとされる。」

 

 なんとも壮大なスケールになっていますね!

 長々と乱文失礼いたしました。ご拝読ありがとうございました!

 

 

■原状回復をするという事(退去明渡の考え方)




■消防設備等設備機器工事負担はどちら負担?!

2021年05月28日

 

■Q 6階建ビルのワンフロア(約60坪)を借りて学習塾(個別教室)を開業する際に消防設備工事は、家主さん側の指定工事業者で工事する約束になっていたのですが、その工事費用として50万円程請求されました。そんなに高くつくものなのでしょうか?

 

 □A 建物の用途により設置基準は違いますが、その6階建てのビルの場合、自動火災報知設備があり、費用が高くついたと推測されます。

 

 自動火災報知設備とは、感知器が熱や煙を感知し、受信機に火災信号などを送り知らせます。受信機は警報を発し、火災地区を表示し地区ベルなどを鳴動させ建物内にいる人に火災の発生を知らせる設備となります。推測されることは、学習塾の個別教室という用途で、その60坪のフロアを何カ所も小さい教室で区切り、その区切った数の分だけ感知器を増設する必要性が出てきた為ではないでしょうか?

 

 

 もちろん増設するだけではなく、受信機に連動し、そのフロアに感知器を増設したことによって、他のフロアの感知器に影響が出ていないかのテストもされたかと思います。

 

 自動火災報知設備に不備があり、そのことが原因でビルの火災被害が増大した場合、家主さんの過失責任も問われることもありますので、通常その工事は家主さんが信頼を置ける施工業者に任されるのが一般的であり、設置個数にもよりますが、50万円という費用は決して法外な金額ではないかと思います。

 

■消防設備等設備機器工事負担はどちら負担?!




■雨漏りした際の修繕負担はどっち?

2021年05月17日

 

□A 所有者様は民法で借主に使用収益義務と修繕義務を負担しなければなりません。

 

 今回の問題は雨漏りの為、あなたが物件を正常に使うことが出来ず、当然、家主さんは修繕をしなければなりません。

 この場合、文書で家主さんに通知をした後、借主自費で修理し、その費用を必要費として家主さんに請求することが出来ます。

 

 請求したが家主さんにその支払を拒まれ、借主側が感情的になり、家賃の支払を怠ると逆に、家賃支払いの債務不履行になりますので、一部使用収益出来ない理由等家賃の減額請求を文書で行い、その減額した金額を家賃として支払います。

 さらに、家主さんがその支払の受取を拒否する場合は、供託手続きをとって頂くことになります。

 

 ※必要費…民法上の費用の概念の一つで目的物の保存・管理・維持に必要とされる経費

 ※供託手続き…家主さんが家賃を受け取らない時に、法務局などの供託所に金銭を預けること。賃料の値上げ要求に反対して、従前の金額を支払おうとしても家主さんが受け取りを拒否する場合など、債務不履行で不利益を得ないための手段。

 

 

■雨漏りした際の修繕負担はどっち?




■定期借家契約のリスク

2021年05月12日

 

 Tさんは雑貨屋さんをするのが、長年の夢でした。2人の子供もようやく手が離れ、雑貨屋ができる物件を探しに近くの不動産業者を何件も訪ねましたが、なかなかピッタリくる物件が見つかりません。

 物件を探し始めて半年が経ち、半ば諦めていた時に美容室が移転との閉店の張り紙を見つけ、隣の家の方に家主さんの連絡先をお聞きし、次の日に早速お出会いしに行きました。15坪程あり、家賃は15万円・敷金は60万円という条件で、立地も条件も探していた理想の物件でした。

 家主からの条件で6年の定期借家契約であれば貸すということで、契約書をその日に頂き、ざっと目を通し、大した問題もなさそうでしたので、一週間後に契約締結し、引渡し頂き、無事、念願の「雑貨屋 TINO」をオープンしました。

 

 ところがオープンして一年少し経ち、順調に顧客様も増え、改装費の償却を差引いても利益が出始めた矢先、突然、主力商品の仕入れ先が倒産し、商品の仕入れが困難となりました。翌月から売上も半減し、毎月赤字の状態が1年程続いたので、やむを得ず家主さんに中途解約の申し出をしました。

 が、もちろん原状回復をする予定ではいましたが、家主さんの回答は「残りの4年間の賃料相当分を支払ってくれなければ、解約はできない」と言われました。

 

 最初は何を言われているのか、理解できませんでしたが、再度、契約書を確認すると貸主・借主とも6年間解約は出来ないと記されています。

 弁護士である知人に相談をすると、6年間借りるか、家主さんと争うしか方法がないとの回答。

 結局、その後家主さんと協議させて頂き、敷金の全額没収と2年分の家賃を一括で支払うことで合意。店はあえなく閉店となりました。

 Tさんの長年の夢は道半ばに終わってしまいました。

 

 ただ、運転資金分の貯蓄がありましたので借金はせずに終わりましたが、定期借家の定義を少しでも知っていれば、何百万円という損失をくい止めることはできたかもしれません。

 事業を始める際、大半の方は店舗を借りる、事務所を借りる、倉庫を借ります。主たる業をおく本体の設置方法を誤るとTさんのように事業自体に大きなダメージを受けてしまいます。

 

 また、貸す側にとっても消防法の改正や耐震構造等場合によっては、賃貸人の賠償の責任を課せられることもありますので、事業用仲介に長けている仲介業者に確認しながら進めていきましょう。

 

 

■定期借家契約のリスク




■造作買取請求権は行使できない!?

2021年05月07日

 

■Q 今回、約20坪のスケルトン物件を借りて居酒屋をしようと思っています。賃貸借契約書(案)のなかに、「造作買取請求権は行使できない。」と記載されています。どういうことを意味するのでしょうか? 

 

 

□A 造作買取請求権とは、あなたが貸主の同意承諾を得て建物に付加した造作についてを賃貸借契約を終了する際に貸主に時価で買い取って頂くことを請求することができる権利です。今回の契約(案)の場合は請求権は行使できないとなっていますので、貸主に時価で買い取ってもらう請求をあなたはできないことになります。

 ただ、店舗内装の打合せ時に買取請求権を行使する契約前提に話を進めると、契約終了時に貸主様はその造作を買い取りたくない場合、造作することに同意しなければいいということになりますので、店舗の造作そのものが出来ないことになります。それでは店の運営も出来ないということになりますので、テナント物件の場合、ほとんどの契約で「造作買取請求権は行使できない。」という契約案にすることが一般的です。

 

■造作買取請求権は行使できない!?




■賃借権の譲渡を行う場合の留意点

2021年04月30日

 

 事業者Aさんは美容サロンを店舗経営しており、知人に自身が営業している美容サロンを賃借権付きで譲渡したいが、トラブル回避のために法的には何に注意すればいいのか確認しておきたいと相談に訪ねて来られました。今回はその中から3つの問題点について解説していきたいと思います。

 

Q1.「賃借権を第三者に譲渡したいが、どのようにして進めていけばいいのか」

 

A1.民法上、賃借権の譲渡は、貸主の承諾なしにすることはできないと定められており、もしも無断で賃借権を譲り渡した場合には、貸主は賃貸借契約を解除し得ることになります。そうすると、譲り渡しする賃借権がなくなってしまうので、結局、賃借権を譲り渡すことができなくなってしまいます。

 対応策としては、賃借権の譲渡について貸主の承諾を得ることを譲り渡しの際の条件とし、あらかじめ譲受人に、これについて承諾を得るべきだと思います。

 

Q2.「敷金は清算せず、そのままスライド(引継ぎ)したい」

 

A2.敷金を預けている場合、譲受人がAさんから賃借権を譲り受けることになったとしても、原則として、敷金を引き継ぐことはできず、譲受人は改めて自ら敷金を貸主に預け入れる必要があります。

 Aさんがもっている敷金返還請求権を譲渡することについて、Aさんと貸主との間で、敷金返還請求権を第三者に対する譲渡を禁止する旨の合意がある場合には、貸主から承諾を得ておく必要があります。その場合、いずれにしても賃借権の譲渡について貸主から承諾を得る必要がありますので、その際に、敷金返還請求権の譲渡についてもあわせて承諾を得ておくことがいいと思います。

 

Q3.「賃借権を譲渡した場合、原状回復義務は継承されるのか」

 

A3.お店の閉店に伴い、賃貸借契約も終了することになると思いますが、Aさんが店舗内にある備品を譲渡する場合、譲受人がAさんから譲り受けた備品を譲受人の責任で、備品を持ち出さなければならず、付加した造作がある場合は、これを原状回復しなければなりませんので、あらかじめ譲渡する備品等は双方で確認をし、書面で残しておくことがいいと思います。

 

 いかがでしたでしょうか。もちろん上記の点以外にも確認しなければならないことは多数ありますが、少しでもお役立ていただければ幸いです。

 

 また、今回は美容サロンを賃借権付で譲渡したいという内容でしたが、同じようなお悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。さらに現在、社会情勢は不安定な状況にあります。今後、法規制変更等の影響で将来サービス内容の見直しが必要となり、顧客の維持・獲得が困難になる可能性や調達先の変更のために追加のコストが生じる可能性のほか、新たな感染症の拡大に伴う経済停滞により売上が減少する可能性も考えなければならず、その結果、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、パンデミックが長期化するであれば資金繰りの悪化が懸念されます。財務状況に余裕のない事業者にとっては死活問題になりかねません。

 地域の方々に喜んでいただけるサービスの提供を目指す上で大事なことは継続することであり、場合によっては事業自体を見直さなければならない状況が生じる可能性もあるかとは思います。

 

 事業承継に関してお困りごとなどありましたら、まずは当社までお声がけください。テナントショップが皆様の事業の一助となれますよう、尽力致します。

 

■賃借権の譲渡を行う場合の留意点




■内覧時、再内覧時の留意点

2021年04月22日

 

 物件内覧時に注意する点は店舗系と事務所系では随分、目線が変わってきます。なかには共通する部分もありますが、相違点もあります。

 

【事務所系】

 

 事務所系の物件の場合、建物の共用部(エントランス・エレベーター・トイレ・給湯室)を借主の費用でさわることはまずありませんので、維持管理が行き届いている物件かどうかは、内覧時にすぐ判断がつくと思います。当然、維持管理が行き届いていて、築年数が新しい物件がベストですが、その分家賃も高くなります。

 必要な広さ(坪数)を満たす物件を内覧されていると思いますので、よくチエックし忘れる箇所のみ、取り上げさせて頂きます。

 

 ・原状回復の内容

 ・セキュリティーの有無、と有る場合の月額費用負担

 ・ゴミ処理に関する費用負担の有無

 ・空調のメンテナンス費用及び通常使用でのエアコンが故障した場合の費用負担の有無

 ・全館空調システムであるかどうか、またその場合、月々の電気代。

 ・水道代の費用負担詳細(上水道・下水道(浄化槽・汲取り))

 ・共用看板の設置費及び掲載にした場合の月々費用負担の有無。

 ・インターネット環境。

 ・共用部の清掃の頻度。

 ・専用部分の窓ガラスへの看板の掲示が可能か否か。

 

 事務所系の物件の場合、共益費に上記チエックし忘れる項目でお伝えした内容の費用が含まれている場合が多いですが、物件により警備費は別請求等、色々なパターンがありますので、最初の案内時に即答を得られなくて、後日回答を頂くかたちでも結構ですので、契約してから「聞いてなかった!」ということがないようして頂ければと思います。

 

 あと、可能であれば事前に物件の図面を入手しておき内寸の実測を計測し、その図面にメモしておくと良いかと思います。物件シートに記載されている専有面積は凡そ壁芯面積での表記になりますので、実際の内寸よりも広く表示されていますので、入手した図面でデスク等のレイアウトを描いた場合、図面では入るはずが実際は入らないという事態も起こりえます。

 ※壁芯面積…壁厚の中心線に囲まれた部分を計算した床面積のこと。

 

 以前、事例で大手の保険会社が借りていた物件が空き、事務所をお探しの建材メーカーさんをご案内させて頂いた際、45坪程の専有面積の表記がなされていた物件だったのですが、内寸面積を測り、壁芯面積ということを考慮しても随分専有面積に違いがある物件がありました。よくよく調べてみると、エレベーターの面積まで含んだかたちの表記がなされていました。このようなことも実際にありますので、注意が必要かと思います。

 

 以上のことが確認出来れば、事務所系の物件は再度内覧をして確認をする項目も少なくなりますので、再度、足を運ぶこともないと思います。ただ、聞かないと教えてくれないという認識を持って頂くことが重要かと思います。

 

【店舗系】

 初回内覧時の一番のポイントは、自身が描いている理想のお店のイメージが、その物件で、しかも限られた予算の中で可能かどうかです。

 まず、ファザードです。物件の顔ともいいますか、とにかくお客様が来店する際に最初に目につく部分となりますので、非常に重要な部分となります。

 

 看板を付けることができる箇所等の制限がある場合もありますし、スタンド看板等、可動式の看板を置いても良いか、袖看板の設置する箇所、または内容の制限有無についても確認します。看板については、物件そのもののイメージに大きく影響しますので、契約前に「どのような看板をつけられるかイメージ図を下さい。」と言われる場合も多く、貸主又は、行政の指導で制限を受ける場合もありますので、看板は最後に考えられる方が多いですが、早い段階での最低限の確認は必要です。また、物件から少し離れてみて、看板をつけた状態を想像して頂き、通行する方から認知されるか、街路樹など邪魔するものの存在も確認してください。

 外観チエックが終わりましたら、入口から物件内部の確認をしていきますが、物件により様々で、シャッターだけでフロントサッシが全くない物件もありますし、自動ドアが付いている物件もあります。

 

 スケルトン物件ではない場合、付属している設備等、建具・備品が自分の描いているイメージに合致し、既存のまま使えるか、あるいは撤去しないといけないか、その撤去費用はどちらが負担するか。トイレは多少手を加える程度で、お客様が利用できる状態になり得るか、エアコンは比較的新しいものかどうか、特に水回りの位置変更が生じる場合は、造作費用も多分にかかる・・等、イメージが必要です。

 最初の内覧時に注意することは、あくまで「イメージ」できるかどうか。

 再内覧時、「イメージ」が合格の場合、再度内覧の日程を調整します。この時の主役は、あなたが工事を依頼する工事業者です。

 

 店舗を探し始める同時期か、またはそれ以前に自分が思い描いているイメージを具体化してくれる「デザイナー」がいるかどうか、例えば飲食店の場合、電気、給排水、ガス、給排気の容量が、検討している物件で既に満たされているか、建築基準法、消防法等に抵触せずイメージで考えているレイアウトの実現が可能かなど、その専門家でないとわからないことが多数あります。

 

 お薦めする方法は、店舗施工に実績のあるデザイナーと「イメージ」・「予算」を中心に予めあなたが企てている事業計画の内容をもとに事前に打合せをし、再内覧時にそのデザイナーと一緒に内覧することです。

 

大工工事はこの会社、左官屋はこの会社、設備屋はこの会社、電気屋はこの会社とそれぞれ分離発注をしてもいいと思いますし、その方がコストも安くなると思いますが、非常に手間暇が増えます。デザイナーに一括して依頼すると、その手間暇分コスト高になりますが、このタイミングで、そのことに時間をかけて頂くより、物件の「リサーチ」に少しでも時間を使って頂きたいので、「イメージ」を実現する業者の窓口は、少なくした方がいいと思います。

 

 また、この時期は非常にやることが多く、資金調達、スタッフの確保、仕入れ先との打合せ、メニューなど、その物件に応じたかたちで再度調整に入ることも多数出てきますので、あまり時間をかけてしましますと、物件自体がなくなってしまうことありますし、「リサーチ」及び工事コストが見えてない中で、あせって賃貸借契約をしてしましますと、考えてもいない問題が出てきて、工事が予算をオーバーしてしまい、十分な運転資金を確保出来ずにスタートをきってしまう場合もあります。

 

 再内覧時からその物件を申込むまでに確認をとるべき内容は、エアコン等の設備が残地されている場合の故障時に取り替え等、修理する際にかかる費用を貸主側にて負担するのか借主が負担するのかという問題です。店舗系の物件の場合、借主が日常のメンテナンスから故障時の修理負担までする場合が多いですが、新築時から例えば自動ドアがあった場合、自動ドアが通常使用で故障した場合は貸主が負担するという場合もあります。残地物か元々あった設備か貸主も理解していない時もありますので確認が必要です。

 

また造作が残っていて殆どが不要の場合、その撤去費用を家主さんが負担していただけるか、造作の一部が堅固な壁でレイアウト上、邪魔である為、撤去しても問題ないか、物件シートのときに少し触れましたが、耐力壁である場合は撤去は不可能となります。

 

 ポイントは、内装工事をするにあたって、合理的にかつ少しでもコストを抑える為の確認が必要となります。コストを抑えるといっても、初期投資とランニングをバランスよく考えることが必要で、作動はするが、随分古いエアコンが残地されている場合は、台数にもよりますが、いつ故障するかわかりませんし、近年の省エネタイプのエアコンと比べると2割、3割は確実に電気代が変わってきますので、ランニングコストを考えると、取り替えた方がいい場合もあります。

 そういった細かい内容を含めて「イメージ」を実現していく為には、やはり頼れる業者さんの存在は大きいのではないかと思います。

 

 内部造作を含めた残地物がある場合、契約終了時の原状回復のことについても、予め確認をとっておく必要があります。「スケルトン」にしないといけない場合もありますし、原則スケルトンにしないといけないですが、契約終了時に家主さんと原状回復工事内容を協議する内容になる場合もありますし、居抜物件の場合、前賃借人の原状回復義務を引き継ぐ場合もあります。

 色々なことを申しましたが、ひとつとして同じ物件はなく、引き渡しを受ける状態も様々になりますので、段取りよくスピーディーに予算内に工事費用が収まるか、並行して「リサーチ」の結果はGOか、判断を下していく必要があります。

 

 内覧時は当然、事前に日時を不動産会社とアポイントをとりますが、まれに家主さんも来られる場合もあります。物件の所有者でもある場合がほとんどですので、当然一番よく物件のことを知っておられます。わからないところがあれば、不動産会社よりも明確な回答が返ってくると思いますし、聞いて頂くことは何の問題もないと思いますが、家主さんもあなたのことを知りたがっておられます。簡単に、事業計画の内容などをお話されると、印象もいいと思いますし、物件の内覧時から、条件交渉は既に始まってるという心構えでのぞまれるべきかと思います。

 また、約束した時間に遅れそうな場合は、事前に不動産会社へ電話を入れるなど、最低限のビジネスマナーも必要かと思います。

 

 ●まとめ

 

  ・家賃以外のランニングコストを見落とさないようにしましょう。

 

  ・イニシャルコストの削減は頼れるデザイナーの存在が鍵!

 

  ・内覧から既に、条件交渉は始まっていることを忘れるないでおきましょう。

 

 

■内覧時、再内覧時の留意点




■飲食店から物販店に変更した成功事例

2021年04月14日

 

【釣り道具販売店】人口6万人・幹線道路沿い郊外店 

 

 外食産業を大きなくくりで分類すると、ファーストフード業態、ファミリーレストラン業態、居酒屋業態、ディナーレストラン業態、喫茶業態と主に5つに分類することができます。いずれの業態も不景気が続くなかで、苦戦を強いられていますが、なかでも特に和洋中のファミリーレストラン業態が客数も売上も減ってきています。

 

 別業態にて全体的なシェアが伸びている業態は、多少物件にマイナス要素があっても業績をカバーできますが、一旦、下降路線に入ってしまうと、マイナス要素をもつ店舗は一気に閉店まで追い込まれます。今回の事例は店舗面積に対して駐車場スペースが若干少なく、その為、イタリアン業態のファミリーレストランが最初退店したあとは長期間空き状態が続いていた物件です。(但し、本件建物は法例法規上含め、用途変更が可能であることを前提にお話ししております。)

 

 郊外型のロードサイド物件の場合、お客様の大半は車で来店される為、まず第一に着目しなければいけない点は、その物件が接道道路より車での進入が容易にできるかどうかを実際に試してみて下さい。中央分離帯がある道路は、もちろん右折進入ができません。反対側車線からのお客様が走行中に店を目視され、その後どういう経路で店まで辿りつかれるか、を想像してください。交差点の角地に立地し、右折進入でお店まで簡単に辿りついて頂ければ、問題はないですがそうでない場合、反対車線を通行する車からの来店見込みは、非常に少ないということになります。

 

 

中央分離帯がない場合でも、渋滞する交差点付近での右折進入はドライバーからすると避けたいと思いますので、やはり実際に試してみるのが一番かと思います。

 

 次に進入をクリアしたら進入後、車の駐車が容易にできるかも試してみて下さい。進入が容易にできても、駐車スペース以外の空地が狭小で転回等がしづらい店舗は、特に運転の不得意な客層をメインターゲットとしている場合、「この店は、車が停めづらい。」と敬遠されてしまいます。

 あとは、席数に対しての十分な駐車台数を確保可能かどうか。

 参考に繁盛している業態別、郊外店の店舗面積及び席数等に対する駐車台数を表してみました。

 

 ・物販店(100坪以下)…店舗面積5坪に対して…駐車台数1台

 ・物販店(100坪以上)…店舗面積6坪に対して…駐車台数1台

 ・飲食店       …駐車台数=テーブル数+5台

 ・サービス店     …店舗面積4坪に対して…駐車台数1台

 

 国道等の産業道路沿いの立地案件は美容室や、お洒落なカフェの業態は懸念されるかもしれません。

 先記、ファミリーレストラン跡は釣り具販売及び買取店で後継テナントが決まりました。アグレッシブなアウトドア客層をメインターゲットとし、物販店でもある種、限定した物の販売になりますので、駐車台数も十分台数確保でき、国道沿いということもあり、視認性と認知度は抜群でしたので、短期間で多くの店のファンの獲得をされました。

 

■飲食店から物販店に変更した成功事例




■初期投資を抑える居抜き物件

2021年04月07日

 

 居抜物件とは一般的に、前借主が使用していた空調・トイレ・厨房機器等を流用できる物件のことを指し、スケルトンで物件を借りる場合と比べ、低コストかつ短期間で開業できる物件のことをいいます。程度については、空調設備のみ残されている場合から看板をかえるだけですぐ開業できる物件まであり、なかには前借主より造作を有償で譲渡する場合もあります。

 

 ここでは、居抜の状態を3つに分類してそれぞれのケースで検証していきます。

 

 ◇コンビニエンスストアの居抜物件

 

 コンビニエンスストア退店の物件、色々な業態に使い勝手が良いので、よく「コンビニの退店物件はないですか?」というリクエストも頂きます。業態も様々ですがここで云うコンビニ退店物件は、郊外に立地する物件で駐車スペースも確保されたものを指します。居抜の状態は空調、トイレ、ポール看板土台、エントランスを含めたサッシを残されるケースが多く、事務所、美容室、リラクゼーション、小規模フィットネス、ゴルフショップ、食料品販売店、コインランドリー、歯医者、飲食店等に多く利用されています。

 

 注意頂きたい点は、設備はあくまで残地物扱いにされるケースが多く、空調等故障した場合は借主側にて取り替えることになりますので、相当古い設備機器がある場合は、最初の契約時に設備の故障時は貸主、借主どちらが費用を負担する若しくは貸主にて撤去頂いて引渡しを受ける等、取決めしておく必要があります。

 

 また、飲食店の場合、排水が公共下水につながっているか予め確認しましょう。コンビニエンスストアの場合、前面道路に下水管が通ってなくても、15人槽規模の浄化槽を入れるケースがあります。ラーメン店で15人槽のまま使用することは難しいので、前面道路に公共下水が通っていれば、下水の引込費用で済みますが、浄化槽の入れ替えの必要がある場合は、十倍以上の処理能力がある浄化槽に入れ替える必要があり、費用が1,000万円を超える場合もあります。 

 

 

◇造作買取を含む飲食店居抜物件

 

 退去前の物件は2つのパターンにわかれます。

 

 1つは、造作譲渡金額が希望金額であれば、貸主承諾のもと賃借権を譲渡するケース。と、もう1つは退店時期が決定しており、その中で金額の折り合いがつけば、これも貸主承諾のもと賃借権を譲渡するパターンです。前者の事例はリーマンショック前に多く見られ、繁盛店をつくり投資した金額以上に造作譲渡金額を設定し売却するケースもありました。

 仮に、月の売上が平均800万円あり、平均で売上の20%が利益、売上昨年対比も全ての月で前年の数字を超えている店があったとします。月額賃料は50万円で、造作譲渡以外に初期費用として、500万円必要です。その物件が造作譲渡金額が5,000万円とします。

 

 単純に計算しますと…

 収入 (800万円×20%)×12カ月×10年=1億9千200万円

 支出 (50万円×12カ月×10年)+500万円+5,000万円=1億1千500万円

 

 「10年間で7,700万円の利益を生む物件となり得ますので、購入しませんか。」というケースです。異業種から飲食店に参入する企業が購入したケースもあるようですが、リーマンショック以降は、造作譲渡で利益を得る前借主は影を潜めました。最近の事例として多いのは、会社組織として運営していくには、利益がおもわしくなく、継続が無意味の場合に、比較的安価な金額で造作譲渡金額を設定されるケースや、ある意味でブームが去った業態で、改装費を掛けるのであれば売却を選択する方がおられます。

 

  もう一つの退店時期を決定して売却希望されているケース。通常、テナント物件を借主の都合で契約を終了する場合3カ月前から6カ月前に告知が必要となります。退去する旨を貸主に告知されているので、購入者を決定するまでの期限があるということが、前者との最大の違いです。退店の理由は営業不振がほとんどのケースですが、なぜ退去することになったのか理由がはっきりしない場合は、その物件は見送るべきかと思います。

 また退店の期限が決まっていますので、その時期までに次のテナントが決定しなければ、現借主は物件の原状回復工事後、貸主に返さないといけませんので、最後はたたき売りになるケースもありますが、いい物件は譲渡金額に大小はあるものの契約終了時までに決着していることが多いです。こういった物件は化ける可能性が十分ありますので、判断のポイントとしては、なぜ退去することになったのか理由が明確にわかる場合、またそれを克服できるプランを持っている場合は、迷わず交渉に入られればと思います。

 意外に成功している店がなぜ成功しているのかを見つけるより、失敗した店がなぜ失敗したかを探す方が、簡単に見つかるはずです。

 

 ここまで、造作買取を含む居抜物件のケースを2つご紹介しましたが、第3章でチエックシートで細い部分の確認はして頂くとしまして、肝心なところは造作買取契約と賃貸借契約は同時に履行することが重要になります。造作譲渡契約をしたものの、賃貸借契約が締結できなければ、目的を達成できませんし、逆に賃貸借契約が締結できたのに、造作譲渡契約の売買金額で折り合いがつかないということになっても困ります。同時履行が無理であれば、双方の契約書に停止条件を盛り込む等の方法を考えて、トラブルは未然に防ぐことが必要です。

 ※停止条件…条件の成就によって、法律行為の効力を発生させる条件。賃貸借契約が無事出来れば、造作譲渡契約が有効になるように、造作譲渡契約にその旨の特約を記載する。

 

◇退去後の居抜物件

 最後に退去してしまった後のケース「飛ぶ鳥あとを濁さず」というようにいけばいいのですが、前借主は経済的にいい状況で退去した物件は少なく、必ずしもいい状態とはいえない物件が大半を占めています。なかにはスケルトンのほうがまだましという物件もあり、どおいう経緯でこのような状態に戻すことになったのか、貸主に問いかける場合もあります。このような物件はほとんど飲食店の退去物件ですが、なかには「厨房区画が希望どおりで、グリストラップもあり、空調等の設備関係は使い物にならないが、排気ダクトは使えそう。」とスケルトンから比べると半分くらいの内装コストで、よみがえる物件もあります。

 

 店舗の内装は、ちょっとした工夫でガラリと変わります。お店に来られるお客様は、店舗の内装の出来栄えを見に来られているのではなく、おいしい料理、気持ちのいいサービス、楽しく食事ができる雰囲気を楽しみに来られます。店舗内装にコストをかけてしまい、その償却分が大きくのしかかり、原材料費を節約しの提供ができなくなることが、最悪のパターンではないかと思います。

 

 

※グリストラップ・・下水道に直接油が流出することを防ぐ装置。

※スケルトン・・・・建物の躯体のみの状態のこと。

 

 居抜物件のことを3つのケースで説明させて頂きましたが、共通する事項としまして、原状回復の取り決めがしっかりできているか、契約前に確認をする必要があります。

 通常、前の賃借人の原状回復義務を承継するかたちになっていることが多く、スケルトンの状態に戻すことが義務となります。通常解体費は坪単価10万円程かかりますので、30坪の店の場合ですと、原状回復費用が300万円必要ということになります。

 

 「原状回復はどこまで、どうする。」ということも、忘れがちになり易い項目ですが、しっかり押さえておきたいポイントです。

 

■初期投資を抑える居抜き物件




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